関税の計算方法、【関税、消費税、地方消費税】

どうも中国輸入副業アドバイザーのhideです。

商品を海外から輸入すると、関税が必要となることがあります。

同じ商品を輸入しても関税が必要ない場合や、関税が必要となっても金額が異なっていることがあります。

輸入ビジネスの初心者だと関税の仕組みが良くわからず、関税を恐れて商品を輸入できない方もいるかもしれません。

しかし、通関手続きは通常は輸送業者(DHLやFedexなど)に行ってもらえるため、関税の簡単な仕組みとおおまかな関税率を知っておくだけで、輸入を行なうことができます。

関税の基礎知識と計算方法を説明します。

そもそも関税とは?

財務省のHPでは以下の通り説明されています。

関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきましたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されています。

関税は、他の租税同様、その収入は国庫収入となります。かつては、国家の財源として重要な位置を占めていました。国家間の経済交流が活発化し、貨幣経済が浸透する一方、国家の財政規模が巨大になり、国家の徴収体制が整備されるのに伴い、財源調達手段としての関税の意義は相対的に小さくなっていますが、厳しい財政事情の下でこれを適正に確保することは重要となっています。他方、関税が課せられると、その分だけコストが増加し、国産品に対して競争力が低下することから、関税の国内産業保護という機能が生まれます。現在では、この産業保護が重要な関税の機能となっています。

https://www.mof.go.jp/customs_tariff/summary/index.html

簡単にいうと、海外から入ってくる商品に対して課される税金で、国内の産業を保護する機能があります。

基本的にはHS品目表にもとづいて、各商品のHSコードごとに税率を定めています。

HSコードはHS番号や税番、品目コード、タリフコードなどと呼ばれることもあります。

HSコードの6桁目までは、HS条約加盟国およびHS品目方適用国で共通となっており、7桁目以降は、各国独自での取り決めとなっています。

日本の7行目以降は3桁となっており、6桁+3桁で9桁のHSコードとなっています。

関税は、商品価格、国際送料、保険料などに対して課税されるため、商品価格が高い商品ほど関税額は大きくなります。

例えば、関税額が10%の商品を輸入した場合、商品価格などの合計金額が100万円であれば10万円、1,000万円であれば100万円の関税が課税されます。

輸入に関わる税金とは?

輸入時の税金は原則として、関税・消費税・地方消費税等を支払う必要があります。

輸入商品の課税価格が基本となり税額が計算されます。

関税は、この課税価格と呼ばれる価格に定められた関税率をかけて算出されます。

課税価格とは輸入港での価格をさしています。

そのため、課税価格には仕入れ代金だけでなく、国際送料や保険代などの付随費用も含まれます。

課税価格は関税定率法第四条に定められていますので、課税価格に何が含まれるのか気になる方は一読ください。

関税定率法(明治四十三年法律第五十四号)第四条
(課税価格の決定の原則)
第四条 輸入貨物の課税標準となる価格(以下「課税価格」という。)は、次項本文の規定の適用がある場合を除き、当該輸入貨物に係る輸入取引(買手が本邦に住所、居所、本店、支店、事務所、事業所その他これらに準ずるものを有しない者であるものを除く。以下同じ。)がされた場合において、当該輸入取引に関し買手により売手に対し又は売手のために、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格(輸出国において輸出の際に軽減又は払戻しを受けるべき関税その他の公課を除くものとする。)に、その含まれていない限度において次に掲げる運賃等の額を加えた価格(以下「取引価格」という。)とする。

一 当該輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用(次条及び第四条の三第二項において「輸入港までの運賃等」という。)
二 当該輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される手数料又は費用のうち次に掲げるもの
イ 仲介料その他の手数料(買付けに関し当該買手を代理する者に対し、当該買付けに係る業務の対価として支払われるものを除く。)
ロ 当該輸入貨物の容器(当該輸入貨物の通常の容器と同一の種類及び価値を有するものに限る。)の費用
ハ 当該輸入貨物の包装に要する費用

三 当該輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で又は値引きをして直接又は間接に提供された物品又は役務のうち次に掲げるものに要する費用
イ 当該輸入貨物に組み込まれている材料、部分品又はこれらに類するもの
ロ 当該輸入貨物の生産のために使用された工具、鋳型又はこれらに類するもの
ハ 当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品
ニ 技術、設計その他当該輸入貨物の生産に関する役務で政令で定めるもの

関税、消費税、地方消費税の計算方法

税金計算には手順があり、「関税」、「消費税」、「地方消費税」の順番で算出します。

1.関税
関税=課税価格×関税率
(課税価格は1,000円未満を切捨。関税は100円未満を切捨)

2.消費税
消費税=(課税価格+関税)×6.3%

課税価格に関税を足した金額に6.3%を乗じて算出します。
(消費税は100円未満を切捨。酒税等の個別消費税額があれば関税とともに加算。)
消費税は8%のイメージだと思いますが、輸入にかかる消費税は正確には「消費税」と「 地方消費税」に分かれています。
消費税と地方消費税を合計すると約8%になります。

3.地方消費税
地方消費税=消費税×17÷63
(地方消費税は100円未満を切捨。)

消費税額に17/63を乗じて算出します。

関税率については、財務省関税局の実行関税率表から確認できます。
財務省関税局:輸入統計品目表(実行関税率表)

またミプロやジェトロでも関税率について説明されていますので参考にしてください。

ミプロ:輸入する商品の関税率の調べ方

ジェトロ:世界各国の関税率

関税おすすめ管理方法

関税の計算方法を説明しましたが、一つ一つの商品を輸入するたびに課税価格を求めて、関税率を調べて計算することはおすすめしません。

輸入する商品が一つであれば関税率を調べても良いかと思いますが、複数の商品をまとめて輸入する場合はそれぞれの関税率を調べる負担も大きく、調べたからといってその通りの関税率で課税されないこともあります。

輸入する商品の課税価格の10%程度が税金が課税されると仮定して仕入れを行い、月次や四半期ごとに課税価格(仕入れ価格、国際送料、保険代など)と税金(関税、消費税、地方消費税)の金額を比較して、10%から大きく乖離していないか確認しましょう。

10%より高く乖離していた場合は、関税率が想定よりも高い税率の商品を多額に輸入している可能性があります。

10%より低く乖離していた場合は、関税が0%の商品の割合が高い可能性や、税金を課税されてなかった可能性などがあります。

輸入するたびに細かく計算していると、作業負担が大きいため概算で想定しておいて、月次や四半期ごとに見直してみましょう。

まとめ

関税は普段関わらない税金のため、輸入ビジネス初心者の方はどのくらいの税率を課されるかや、どのように税金が計算されているか知らないと思います。

関税の計算方法は知っておいて損はありませんが、輸入するたびに細かく計算せず概算で計算してみましょう。

仕入れ金額や物流量が増えてくると税額も増えてきますので、コスト計算には税金は忘れずに入れておきましょう。